弾いた鍵盤の数≠発音数
専門用語の中でよく目にするのが「最大同時発音数〇〇〇音」という言葉ではないでしょうか。
電子ピアノはアコースティックピアノを目指していますので、鍵盤の数はそれと同様に88鍵あります。
しかし、カタログには「128音」、「256音」など、88以上の数字が書かれています。
これだけを見ると、
「88鍵しかないのなら、どうやっても最大同時発音数は88音じゃないの?」
「指は10本しかないのだからどうやってそれ以上鳴らすの?」
と疑問に思われたとしても不思議ではありません。
(実際に私も最初はそう思いましたし...)
実はこの発音数というのは、弾いた鍵盤の数の事ではないのです。
1音弾くと、2音鳴る。
まず、電子ピアノは左右のスピーカーで発音しています。
ということは「ド♪」と弾くと右と左から「ド」の音が一つずつ鳴ります。
なので発音数は「左の1音+右の1音」で「2音」となります。
次に、音を伸ばすダンパーペダル(足元にある一番右のペダルです。
これを踏んでいると鍵盤から指を離しても音が伸びます)を踏みながら「ド」「ミ」「ソ」の順で弾いたとします。
すると「ド」の上に「ミ」の音が重なり、次に「ソ」の音が出ますので、「ドミソ」と、3音が重なります。
ということは鳴っている音が3音×左右のスピーカー2個なので合計「6音」発音していることになります。
これが「ド」「ド」「ド」と、「ド」の音を3音伸ばして弾いても同じです。
「ド」の上に「ド」が重なっているので「6音」が鳴っていることになります。
では例えば最大同時発音数が128音の電子ピアノで音を重ね、伸ばし続けて「129音め」を弾いた時はどうなるかと言うと。
それまで伸びていた「1音め」が突然消えます。
同時発音数は多いほうが良い
難易度の低い曲であれば、そこまでたくさんの音を使うことはありませんが、上達して挑戦する曲の難易度が上がっていくと、鳴らす音の数も確実に増えていきます。
そういった曲で同時発音数の少ない電子ピアノを使っていると、当然、必要な音が鳴らせなくなり、演奏している曲が不自然になってしまいます。
ですからこの「最大同時発音数」というものは多いに越したことはありません。
これも価格が上がれば最大同時発音数も増えていきます。
最初に購入したものを少しでも長く使いたい、ということであれば最低でも販売価格が15万円の物を選ぶのが良いでしょう。
上達して様々な曲に取り組むようになっても、最大同時発音数の面から見ても安心できます。
参考までに
ヤマハの販売価格10万円クラスの、YDP163の最大同時発音数は192で、15万円以上のクラビノーバCLP535や545、575では256音となっています。
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