鍵盤においては、もはや必須の機能
ヤマハやローランドでは「エスケープメント機能」、カワイは「レットオフフィール」と呼ばれる機能があります。
これは鍵盤をゆっくり押していくと途中でクリック感(ひっかかり)を持たせた仕組みのものです。
このクリック感をアコースティックピアノの鍵盤も同じように持っています。
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搭載されている理由
アコースティックピアノの仕組みですが、
まず鍵盤が動いていない状態では、弦に「ダンパー」というものが当たっており、これが弦の振動を止めています。
(下図 赤枠内がダンパー)
鍵盤を押すとこのダンパーは弦から離れ、同時にハンマーが弦を叩き音が鳴る、こういった仕組みになっています。
そして鍵盤から指を離さなくても(押しっぱなしでも)ハンマーが元の位置に戻るようになっているのですが、その時にこのクリック感が発生します。(クリックを押し抜いた時にハンマーが元に戻ります。このクリックがスイッチのようなイメージでしょうか。)
エスケープメント機能とはその一連の動作から発生するクリック感を再現したものなのです。
余談ですが、アコースティックピアノにこのエスケープメントがなかった場合、音を伸ばしたり連打したりする事ができなくなります。
それは鍵盤を押しっぱなしでもハンマーが元に戻らなければ、弦の振動はハンマーで止められてしまうからです。
また、連打するときも一回一回鍵盤が最初の位置に戻ってくるのを待っていたら、音と音の感覚が広くなって早い連打ができなくなります。
この機能があるからこそあの流れるような演奏ができるとも言えます。
電子ピアノにおけるエスケープメントの効果
電子ピアノにハンマーは入っていませんが、それでもこのクリック感を再現することで鍵盤のコントロール性が高まり連打や小さい音のニュアンスが出しやすくなります。
何より鍵盤の動作にアコースティックピアノらしさが出ることも大きなポイントです。
今や電子ピアノでは必須の機能となっているのです。
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