音の良い電子ピアノとは
電子ピアノは、鍵盤はもちろん音もいかに本物の音に近づけられるか、という事を考え作られています。
ピアノの音の響きは複雑で、あらゆる音が混ざり合い、鳴っています。
それを忠実に再現させた物が「音の良い」電子ピアノと言えるでしょう。
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音の鳴る仕組み
はじめに電子ピアノの発音までの流れとしては以下の順序です。
鍵盤を弾く→センサーが検知→音源が音を発する→内蔵のアンプで増幅→スピーカーから鳴る
このようにして音が出ています。
音を決める要素は2つ
電子ピアノの音の良さは「音源」、そして「スピーカー」で決まります。
(アンプについてはどのメーカーさんも記述をしていませんので、これによる差はないと考えます)
音源
まず音の元となる「音源」についてです。
サンプリング
ピアノの周辺にいくつかマイクを立て、一番下の音から一番上の音まで1音1音を録音していきます。
これを「サンプリング」といいます。
サンプリング解説ページへ
この時に録音するのは実際に発音されている「ド」や「レ」といった実音だけではなく、共鳴して鳴った弦の音や響板、フレームといったピアノの様々なパーツが発している音も録音します。
こうしてサンプリングしたそれらの音を音源に入れます。
音質
冒頭で述べたように、ピアノの音は様々な音が重なり合っているため、実はかなり複雑な音なのです。
最上位機種でなくても良質な音は出ます。
しかし主に20万円以下の電子ピアノの場合、細かくサンプリングされたあらゆるパーツの響きまで再現できるようにはなっていません。
手頃な価格の電子ピアノですと、「作られた音」という感じもしますし、いかにも「スピーカーから鳴っている音」といった聴こえ方です。
習い続けてだんだんと曲が弾けるようになってくると、ちょっとした音の差をつけて演奏に表情をつけます。
細かい音もしっかりと発音してくれる電子ピアノですと、自分のイメージした音が出せるようになります。
そうなるとやはり楽しく弾けますし、耳も鍛えられ上達につながります。
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スピーカー
そしてもう一つの要素がスピーカーです。
スピーカーの数
電子ピアノのスピーカーは、多い方がより本物の音に近づきます。
アコースティックピアノの音は弦や筐体など様々なパーツが音を鳴らしていますので、あらゆる方向から音が聴えてきます。
電子ピアノはそういった共鳴音もスピーカーからしか音が鳴らすことができません。
しかしスピーカーの数を増やすことで、鳴る方向やそこから出る音を役割分担させるなどして、リアルな音に近づけています。
おおむね15万円までの電子ピアノは、足元の左右にあるメインスピーカー2つのみで鳴らす場合がほとんどです。
それが4スピーカーになると、(メーカーによって搭載されている場所は様々ですが)メインスピーカーには全音域、サブスピーカーには高音、といったように出力する音域を分担させることができます。
また音が下からの一方向だけでなく、複数の方向から聴こえてくるようになったりもします。
そうすると音に立体感が増し、本物の音らしさが出てきます。
さらに6つのスピーカーになると、より細かく音が発音され、聴こえてくる位置もさらに増えるため、4スピーカーよりも一層リアルな音の聴こえ方になります。
ここまでの数になると前述した、「共鳴して鳴った弦の音や響板、フレームといったピアノの様々なパーツが発している音」も再現できるようになります。
出力
カタログやホームページでは「20W」などと表記されています。
出力(数値)が上がると、音圧が増します。
よく「大きな音量で鳴らすことはないから、出力は小さくて良い」と考える方もいらっしゃいます。
しかしこの出力は、大きく鳴らすためのものだけではありません。
例えば10Wと20Wのスピーカーを、同じ音の大きさで鳴らして比べたとします。
この時、いい音で聞こえるのは出力に余裕がある20Wのほうなのです。
音量だけではなく、細かな響きを再現できるのも出力が高く、スピーカーの数が多い電子ピアノです。
小さい音でしか練習できない、という方ほど、スピーカー数が多く出力の高い物が適しているでしょう。
まとめ
出力が高くスピーカーの数が多い電子ピアノの方が、音源が持っている能力を最大限に発揮できるようになっているため、アコースティックピアノのような音で演奏することができます。
良い音で練習していると、細かい音の変化も聴き分けられるようになり、曲に表情をつけるという高い表現力を身につけることができるようになるのです。
(上手な人はこの表現力が高いため曲がドラマチックに弾けたりします。)
たいていの電子ピアノは、鍵盤が良ければそれに比例して音も良くなります。
ですから、やはり鍵盤の良いものを選ぶことが良い電子ピアノ選びになる、ということです。
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