「本物らしさ」を追求したヤマハか、「電子ピアノ」としての完成度が高いローランドか。
木製鍵盤を搭載し、自然な弾き心地と音が特徴のヤマハCLP-645。
指の力を正確に捉えることでタッチの強弱に繊細に反応し、奥行きのある美しい音を鳴らすローランドのHP605。
この2機種を比較します。
おすすめポイント・選び方
レッスンにこれから通う方・通って間もない方が、長く使える電子ピアノを選ぶならヤマハのCLP-645がおすすめです。
それは、まだ何も身についていないゼロの状態で弾きやすい鍵盤に慣れてしまうよりも、自然な弾き心地の鍵盤で練習したほうが、正しいタッチを身につけられるからです。
そしてローランドのHP605は、すでに何年もレッスンに通っていて、ある程度弾けるようになっている方におすすめです。
数年通っていれば、すでにグランドピアノの鍵盤の感覚はある程度身についていて、タッチの強弱で音色を変化させ、演奏に表情をつけることもそれなりにできるようになっていると思います。
個人差や好みはもちろんありますが、そのタッチの差に、より細かく反応してくれる電子ピアノの方が演奏力をさらに向上させることができます。
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性能比較
CLP-645 | HP605 | |
価格 | ¥210,600 | ¥215,460 (艶消しカラー) |
鍵盤 | ナチュラルウッド エックス鍵盤 |
PHA-50鍵盤 |
エスケープ メント |
○ | ○ |
鍵盤の重さ | ローランドより重い | 軽やか |
スピーカー数 | 4 | 6 |
最大同時 発音数 |
256 | 無制限(「グランド」音色ボタン選択時) |
音の特徴 | 高域〜低域までバランスが良く、厚みがある | 明るく澄んだ音 |
サイズ
幅 |
146.1cm |
137.9cm |
- CLP-645は木製鍵盤、HP605は木と樹脂のハイブリッド構造。
- エスケープメントはどちらも有り。(ローランドの方が強く感じる)
- 演奏感はHP605のほうが軽やかなので弾きやすい。CLP-645のほうはピアノらしい自然さがある。
- 音はHP605のほうが立体的に聞こえる。CLP-645は本物の音のような音圧がしっかりと体に感じられる。
- サイズはHP605が小さめ。しかし高さが出るので圧迫感が少ないのはCLP-645。
それでは鍵盤と音、それぞれを解説していきます。
鍵盤
CLP-645は、非常に素直な弾き心地でグランドピアノらしさが感じられるのが特徴です。
グランドピアノの感覚を身につけるという点でもこの自然さが
HP605は鍵盤を弾いた感触が軽めですが、その分弾きやすいので演奏していて気持ち良いという利点があります。
音
CLP-645の音は高音域〜低音域までがバランスよく鳴ってくれます。
こもることなくハッキリと音が聴き取れて、グランドピアノを弾いた時にも伝わってくる音の厚み=音圧がしっかりと感じられます。
対してHP605はスピーカー数が6つと、CLP-645よりも多くなっています。
この6つのスピーカーが、高音域・中音域・低音域を分担して発音するので演奏していると音に包み込まれるような立体感があります。
20万円クラスを選べば後悔するリスクは少ない
特にお子さんがピアノを始めたとなると、「長く続けるかどうかわからない...」というご不安を持たれるでしょうし、そのお気持ちはよくわかります。
しかし、先のことはわからないものです。
予想以上に一生懸命練習するようになるかもしれません。
その時に手頃な電子ピアノを選んでいたとすると、技術に追いつかなくなって物足りないと感じるでしょう。
物足りないと感じると、家で練習するモチベーションもなかなか上がらないものです。
そうなると今度は「もう少し良いのにしておけば良かった...」という後悔が出てしまうかもしれません。
しかし、長く続けた時に20万円クラスの電子ピアノならば安心して使い続けることができます。
楽しく練習できるから上達して、さらに楽しくなれる、という価格帯なのです。
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Roland/ローランド HP605
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