楽器が好きだからという動機と楽器屋さんの仕事内容は一致しているのか。
このサイトの趣旨とは全然違いますが、ここでは「楽器屋さんで働くこと」に関する内容を書いていきます。
「楽器屋さんっていいなぁ~、楽器に囲まれて毎日楽しそう!」
音楽が好きで楽器を楽しんでいる方の中には、こう感じていらっしゃる方も多いのではないでしょうか。
そういう私自身も、楽器を演奏していて楽器が好きだから、という理由で楽器店に入社しました。
でも、改めて深く考えると、この「楽器が好きだから」っていう理由は、実は職のミスマッチを起こしかねない動機なんです。
この意見・考え方に至ったのは▼下記のサイト▼がキッカケです。
詳しくはそちらをご覧いただければと思うのですが、このサイトにはこうあります。
「好きな事を仕事にしよう」と思って、焼き肉が大好きだから焼き肉屋でアルバイトしても好きな事ではないのですよねw ボクが好きなのは焼き肉を食べることなのだから。
「焼肉が好きだから焼肉屋さんに勤めたい!」というのは、動機と仕事内容がズレている。
ということですね。
焼肉を食べることが好きなのに焼肉屋さんで働いても食べることが仕事にはなりませんよ、というワケです。
これを楽器屋さんに置き換えてみましょう。
その前に、楽器屋さんはどんな仕事内容なのかを知らなければ始まりません。
↓以下のページで楽器屋さんの仕事内容を詳しく紹介しています。↓
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楽器屋さんの仕事というのは「楽器を演奏をすること」とは直接関係がありません。
「楽器が好き」という気持ちだけでも、成り立たないのです。
それでは、ここからは志望動機と仕事内容のミスマッチのパターンをいくつか紹介していきます。
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楽器を演奏する事が好きだから楽器屋さんで働きたいというパターン。
ハイ、冒頭の焼肉屋さんの例えと同じです。
楽器屋さんの仕事は、演奏する事ではありません。
楽器の良さや使い方を「お客さんに伝えて買ってもらう事」が主な仕事内容です。
お客さんの前でデモンストレーション的に少し演奏することはありますが、1日を通して演奏する時間はほとんどありません。
演奏するのは販売のためです。自分が楽しむためではありません。
楽器屋さんに勤める上で大切なのは、接客が好きかどうかです。
お客さんに楽器を買っていただくことで喜べるかどうかです。
接客する事、人とのコミュニケーションがしたい、そして物を売りたい!という事がしたいと思っている方でないと、辛いと感じる場面が多いですし、仕事も面白くなりません。
これが、お客さんと楽器や楽器以外の話をして、相談にのって、楽器を買ってもらいたい、という動機なら仕事内容との乖離はないでしょう。
演奏が好きな人は演奏家を目指そう
演奏する事が好きだからそれを仕事にしたい、という方がやるべき仕事は、楽器屋の店員さんではありません。
演奏技術とコミュニケーションスキルを高め、人から信用される力と自分を売り込む力を身につけるなどして、演奏家(ミュージシャン)になることです。
あとはYouTuberでしょうか。
とはいえYouTuberも、稼ごうと思ってやるとプロミュージシャン並みのハードルです。
そうカンタンではありませんので、ご注意を。
それ以外で演奏する事が好きを活かせる仕事は…ちょっと思いつかないのですが、何かありますかね?
他には、演奏だけでなく一人で黙々と曲を作るのが好きという方もこのパターンに当てはまりますね。
作曲が好きという気持ちは、楽器店で働くこととは繋がりません。
ただ、作曲が好きな方ですと、今ではクラウドワークスをはじめとするクラウドソーシングサイトでジングルやBGMの募集をよく見かけます。
ネットを使っての活動もしやすいので、活躍の場は昔より増えていると思います。
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演奏するのが好きだから、講師になろう!と考えるパターン。
ハイ、これもミスマッチです。
講師の仕事は「教える事」です。
生徒さんとのコミュニケーションを取ることです。
レッスン時間に自分が演奏する事はほとんどありません。
レッスン時間まるまる自分の演奏を見せる!なんて事したらクレームモノです。
時にはそういうレッスンが必要な場合もあるのかもしれませんが、まずそんなことはあり得ないでしょう。
そして注意しておきたいことは、講師は基本的に楽器店の社員ではないということです。
講師は楽器店と「委任契約」というものを結び、レッスンを行います。
よって、支払われるのは生徒さんの数に応じた「報酬額」で、「給料」は発生しません。
講師になるということは、個人事業主になる、ということなのです。
楽器講師に向いている人
では、どんな人が講師に向いているかというと、もちろん教える事が好き、という人です。
自分が教える事で、生徒さんが上達していく、楽しそうにしている、といったところを見て喜べる方なら適任でしょう。
ただし、伝える力に乏しかったり、レッスンに工夫がなくて進め方がワンパターンだったり、独りよがりな考えを押し付けてしまうと、生徒さんはあまり集まりません。
結局は楽器屋の店員さんと同じで、人と接する事・楽しませる事が好きでないと辛いでしょうね。
あとは、子どもの習い事として楽器教室を選ぶご家庭も今は多いので、子どもの相手は苦手、したくない、という人にもオススメしません。
例外として島村楽器さんのミュージックサロンというシステムは大人だけが対象です。
教えるのは好きなんだけど、子どもはちょっと苦手…という方はこちらを検討してみましょう。
ただし、一般的な講師の契約とは異なるらしいので、興味のある方はよく調べてください。
楽器は演奏するよりいじるのが好き!
この動機で楽器屋さんに勤めるのは大きくハズレていないのですが、職種のミスマッチが起こる可能性があります。
楽器を修理したり改造したりするのが好きな人が目指すべきは、調律師やリペア技術者です。
でもそこで販売員という職種を選んでしまったら、その好きという気持ちが100%活かせません。
販売員でも、例えばギターの弦交換対応をしたり、できる人ならその他の箇所の調整といった修理業務も販売員として行いますが、毎日できるわけではありません。
また、販売員は接客してナンボですから、ずーっと楽器をメンテナンスしてばかりいたら職務が果たせません。
リペア技術者を目指そう
楽器を修理したりするのが好き!という方は、楽器屋さんのリペアスタッフや、調律師さんなどを目指しましょう!
ただし販売員と比べると、ある程度の技術力が最初から求められます。
そのため間口は少し狭くなりますが、専門学校などでも学ぶことができるのでハードルはそこまで高いわけではありません。
音楽が好きだから!というパターン。
音楽が好き!という動機は、よく考えると楽器屋さんに勤めることとはあまり関係がありません。
もし自分の周りでこういう人がいたら、もう一度よく考えて、と忠告します。
「音楽関係の仕事がしてみたい」という志望動機の方も結構いるのですが、楽器屋さんは音楽関係ではありません。
「小売業」です。
これを勘違いしてしまう方は結構多いんですね。
まず、楽器屋さんで販売しているものは音楽(楽曲)ではなく楽器です。
楽器を販売する事が仕事です。
接客の流れで好きなアーティストの話しになったりする事もありますが、音楽を一緒に聞いて楽しむということはしません。
そして毎日ライブやコンサートが観れるワケではありません。
というかほとんどありません。
また、プロミュージシャンによるセミナーなどはよく開催されているのを目にしますが、音楽を聴く、ライブを観る、という行為とは違います。
音楽が好きな人が目指す仕事
音楽を聴くことを仕事にするなら…音楽評論家でしょうか。
文章を書くことを勉強して音楽雑誌ライターを目指すのも良いのではないでしょうか。
音楽が好き→音楽雑誌ライターという図式が正しいのかどうかはわからないんですけども。
もしくは、自分のブログなどを立ち上げて、好きなアーティストや曲をどんどん紹介して行くという事をした方が、「好き」を活かせます。
(稼げるかどうかはまた別の話)
運営するブログがキッカケで、音楽関係のライティングの仕事が来るかもしれません。
今の時代はそういうことが起こり得ますからね。
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楽器店勤務に向いている人の条件
- 楽器そのものが好き
- 接客が好き
- 会話が好き
- 自分が良いと思った楽器の良さを伝えたい
- 楽器の楽しさを伝えたい
これらの動機なら、楽器屋さんの仕事内容とマッチしているでしょう。
この記事を見て、ご自分の「楽器屋さんで働きたい」という気持ちに対して、仕事の内容のミスマッチがない!大丈夫!勤めたい!と思えたなら、ぜひアルバイトでも新卒でも、転職でも、楽器屋さんに応募してみてください。
きっと楽しくお仕事できると思いますよ!
今は楽器屋さんも人手不足なので、求人が多い
小売業は人手不足と言われるようになりました。
楽器屋さんも例に漏れず、人手が足りないお店は多いです。
ということは、楽器店で働きたい人にとっては、むしろ今がチャンス!
▼楽器店のアルバイトを探すなら、こちらの求人サイトで。
楽器屋さんの求人は、島村楽器さんの募集がとても多く掲載されています。
そしてこのサイトで応募して採用されると、マッハボーナスというお祝い金が、「もれなくどのバイトでも」もらえます。
まとめ
楽器の経験があれば、もちろんそれを活かすことができます。
しかし、ここまでで述べたように、「楽器が好き=楽器屋さんで働ける」という結論にいたってしまうと、仕事内容と志望動機のミスマッチを起こすとになります。
そうなると、アルバイトでの入社にせよ、社員としての入社にせよ、頭に浮かぶのは”失敗”の二文字かもしれません。
そうならないように、楽器屋さんで働きたいと思っている人は今一度、考えを整理してみましょう!
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