素直さが特徴のヤマハ。ピアノのイメージ通りのカワイ。
ヤマハのCLP-645と、カワイのCA58は、どちらも木製鍵盤を搭載した、20万円の価格帯の電子ピアノです。
両機種とも木製鍵盤となると、何を決め手に選んだらいいのか分からないという方も多いのではないでしょうか。
ここでは、鍵盤が木でできていること以外にどんな違いがあるのかを解説していきます。
この2機種の最大の違いは、同じ木製鍵盤でも弾いた感触が全く違うことです。
これはピアノを弾けない人にもハッキリとわかるほどです。
CLP-645とCA58のタッチ感の違いを、それぞれ一言で表すとすると
- CLP-645は素直でクセのない弾き心地
- CA58は、どっしりとした重めの弾き心地
です。
そして、音にももちろん違いがあります。
弾き心地だけではなく、音色や音の再現力も電子ピアノを選ぶ上で大事なポイントです。
- CLP-645の音は、丸みのある優しい音
- CA58の音は、高音は煌びやかで低音は重厚
- 音の再現力はどちらも同等
という特徴が、それぞれにあります。
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特徴と選び方
CLP-645は、鍵盤も音もクセがないので、誰にでも馴染みやすい電子ピアノです。
しかしその分「普通」で主張がそこまで強くないという事でもあるため、個性が欲しい人にとっては物足りないと感じるかもしれません。
とはいえ、ナチュラルさという点ではヤマハがリードしています。
CA58は、電子ピアノとしては重めの弾き心地ですから、「グランドピアノの鍵盤は重い」というイメージ通りのタッチ感で練習することができます。
音にも太さ・重さがあるため、生ピアノのような音圧が感じられます。
こんな方におすすめ
- 鍵盤も音も素直で、使いやすい電子ピアノを選ぶならヤマハのCLP-645
- 「鍵盤は重く、音も重厚」という、一般的なグランドピアノのイメージに近いものを選ぶならカワイのCA58
それではもう少し詳しく比較・解説していきましょう。
性能比較
CLP-645 | CA58 | |
価格(税込) | ¥214,500 (艶消しカラー) |
¥218,900 |
鍵盤 | 木製 | 木製 |
エスケープ メント |
○ | ○ |
鍵盤の重さ | 普通 | 重い |
スピーカー数 | 4 | 4 |
出力 | 50W | 100W |
最大同時 発音数 |
256 | 256 |
音の特徴 | 高域〜低域まで バランスが良い |
高音と低音が強め 重厚感がある |
サイズ
幅 |
146.1cm |
144.5cm |
- CA58のエスケープメントは、CLP-645よりも強い
- タッチ感はカワイの方が重め
- 音のキャラクターは、CLP-645がおとなしめ、CA58はパワフル
- どちらも音の再現力は同じ程度
- サイズは全体的にCA58がほんのわずかに小さい
こうして数値だけで比較すると、ほとんど差がありませんね。
鍵盤
比較検討するべきポイントはただ一つ、タッチ感です。
CLP-645は、適度な鍵盤の重みとスムーズな動作のためレスポンスがく表現がしやすいことが特徴です。
対してCA58は、指にどっしりとした重量感が伝わってくるので、しっかりとした弾きごたえがあります。
ただ鍵盤が重い分、指や腕などの使い方が良くないと弾きにくく感じます。
しかし反対に言えば、その分良い指の使い方を身につけられる、ということでもあります。
このように重さや演奏感に違いはありますが、どちらが優れている、ということはありません。
音
スピーカー数や同時発音数は同じですが、CA58のほうが出力が大きいです。
「大きい音を出すと近所迷惑になるから、出力は高くなくていいよ」というご意見もよく耳にしますが、出力の持つ役割は音量だけではないのです。
例えば全く同じスペックで、出力だけが違う電子ピアノがあったとします。
これを比較するため、どちらも音量ツマミを半分の位置にします。
そして、同じフレーズを同じように弾いた場合、出力の高いものと低いもの、どちらがアコースティックピアノに近い音でしょうか?
やはり出力の高いものが良い音で鳴ってくれます。
出力が高いということは、それだけ鳴り方に余裕があるということですから、音量が同じでも音圧や音の太さがしっかりしています。
生音のような音圧感が出るのは、カワイのCA58のほうです。
音の再現力も同じ
CLP-645には”VRM(バーチャルレゾナンスモデリング)”という機能が。
CA58には”アコースティックレンダリング”という機能が備わっています。
この二つは、ピアノの音に含まれている、様々なピアノのパーツの共鳴音を再現したものです。
ピアノは、鍵盤を弾くとハンマーが弦を叩き、その弦が発音するという仕組みです。
ピアノの音は、その弦の音だけでなく、あらゆるパーツの共鳴音が含まれています。
これらの機能がない電子ピアノを弾くと、音の広がりや深み、わずかなニュアンスというものが感じられないのです。
最後に
CLP-645かCA58のどちらかで検討している方は、かなり悩まれるんじゃないかと思います。
実際にこうやって解説していても、比較するのが難しかったです。
それだけどちらもピアノに近い性能を持っている、ということなのでしょう。
鍵盤の感触や音の響き方などが、ピアノらしいナチュラルさを持っているのがCLP-645です。
レッスンに通っているお子さん用にはもちろん最適ですが、大人の方の趣味用としても非常にオススメです!
特に、子供の頃習っていたから生ピアノのタッチ感を知っている、という人は納得して弾ける電子ピアノです。
素直でクセが少ないので、どうにもこうにも決められない!ということならCLP-645を選びましょう。
CA58は、電子ピアノとしては重量感のある弾き心地なので、生ピアノの鍵盤の重みに近い感覚で練習ができます。
重いぶん楽には弾けませんから、正しく弾かないと思ったような演奏ができません。
見方を変えれば基礎的な部分をしっかり身に付けることができる、ということです。
ヤマハよりもタッチや音に強い個性を感じる電子ピアノです。
どちらを選んでも、家での練習がしっかりと身になる電子ピアノです!
良いものを長く使うなら、木製鍵盤搭載モデルがオススメですよ。
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