販売員時代のジレンマ。

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その電子ピアノを勧めるのは、本当にお客さんのためなのか。

楽器屋さん時代の話を少ししてみます。

 

僕はバンドをやっていましたから、ギターやベースの接客が好きでした。

しかしピアノに関してはよくわからなかったので、電子ピアノの接客に慣れるまでそれなりの時間がかかりました。

 

わからない分、勉強をして知識を身につけていき、気づけば所属していた店舗では常に「最も電子ピアノを販売するスタッフ」になっていました。

(この経験があったからこそ、今こうして電子ピアノをオススメするサイトを作ることができています。)

 

こうして電子ピアノをたくさん販売していたワケですが、会社に勤めているとどうしても「会社の方針」にそった商品を販売しなければなりませんでした。

 

「このメーカーの電子ピアノを売りなさい」

「この機種とこの機種を販売しなさい」

こういった、会社からの販売指示。

 

勤め人である以上、僕はこの指示を無視することはできませんでした。

 

なぜならば、"会社が販売せよと指示した商品"を売った人が評価されるからです。


しかしこの会社の指示の先にあるのは「お客さんのために」ではなく「会社の利益」です。

会社からは「この指示した商品を販売することがお客さんのためになるんだ」という伝達もされていましたが、どう考えても僕には苦し紛れに取ってつけた言葉としか受け取れませんでした。

 

会社に利益をもたらした人が評価されるのが世の中の常ですから、仕方がないと言えば仕方がないです。

会社も利益を出さなければ存続できませんし。

 

しかし、自分の評価のためと会社の利益のために、お客さんに合わない商品を無理矢理オススメして販売しなければならないのが嫌でした。

(楽器店を辞めた理由は諸々ありますが、自分の心に反した事をしなければならなかったのも退職理由の一つです。)

 

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果たして楽器屋さんの中で、そういう大人の事情・個人の事情を捨ててでも、目の前のお客さんに本当に最適な物をオススメしている人はどれくらいいるのでしょうか。

「この人にこの商品は合わないな」と思ったら、会社からの指示を無視してでも最適な商品をオススメできる人はどれくらいいるのでしょう。

 

ちなみに、あるとき電子ピアノだけではなく何でも異常に販売しまくっていた後輩がいました。

彼の販売した商品の中身を見てみると、会社からの指示商品ももちろん販売していますが、それ以上に指示されていない商品を販売していましたね。

 

終わりに

楽器店を辞めた事でこうしてできる限りフラットな意見で、電子ピアノをオススメできるようになりました。

 

「電子ピアノ」というごく狭いカテゴリですが、販売員の時よりも今の立場の方がよっぽど「電子ピアノ選びに悩む方」の役に立てているような気がします。

 

 

以上、楽器屋さん時代の話しでした。

読んでいただき、ありがとうございます。

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